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部屋とYシャツとわらG

部屋とYシャツとわらG

小学部5年生 2学期

2009/10/01

壁の穴~壁紙まで 「障害児と生きる日常(52173)」 [ 最近のことの日記 ]
 最初はほんの小さな穴だった。

 何か固いモノをぶつけたのか、Sが申し訳なさそうに壁の穴を指さす。

 「ああ~あ」と言いながらも、まあこのくらいいいかと思っていたし、その後しばらくはそのままだった。


 ところが、この寝室は、私たちが仕事から帰ってくるまでの間、Sが一人で入って、くつろいだり昼寝をしたりする部屋である。じいちゃんばあちゃんは下で謎の時間の食事を食べさせた後はほったらかしである。2階のこの部屋にSは登ってきてくつろぐのだが、ある日、気づいてしまった!

 この穴のまわりから、壁紙がはがせるぞ…と。

 この壁紙が厚手なので、その分、ちぎった時の手触りがまたお好みらしい…。壁からはがす、それを細かくちぎって遊ぶ、ばらまく…の繰り返しを楽しむらしく、ある日、帰宅して見つけた私はびっくり!

 怒る&テープで補修する…という小規模作業が行われた。

 「やってはいけない」とわかってはいるようで、無事な日もあるのだが、まあ「わかっちゃいるけどやめられない」…ということで欲望に負けたS、その後も連日、やっている。

 私が帰宅して、部屋に入ると、人差し指で「×」とか作って、ごめんと頭を下げている。そんなことができるようになったのは成長なのだが(笑)、だからといって許される遊びではないので、怒り&片付けをさせる。それでも日々、拡大していくので、ついに大規模修理をすることにした。

 ホームセンターで見つけたのは、「壁紙の上から貼れる壁紙」

 まず、はげたところのまわりをきれいにして、
 穴もふさいで、上から貼る。

 一人だとうまくはれずに、しわになったり、下の壁紙の厚さが違うところが段になってしまったので、もう1枚上から貼った。

 大成功!

 今回の壁紙貼り、2年前のベッド補強
と、ガラスの飛散防止フィルム…変わったことばかりうまくなるなあ。

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2009/10/04 このブログを購読する

壁紙のその後 「障害児と生きる日常(53305)」 [ 最近のことの日記 ]
 想定外とはこのことか…。

 といいつつも、まだこれで戦いは終わらない気はしていたのだが…。

 今日の夕方、一緒に遊んで帰ってSは、部屋で少し昼寝をした。その前後のできごと。

 壁紙に、削ろうとした爪の後が…。

 紙が持ちこたえるか、Sが無理とあきらめるのが早いか…。

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2009/10/25 このブログを購読する

10月のSの日常 [ 最近のことの日記 ]
 月1回のペースの歯医者さん。

 名前を呼ばれて診察室に入る時は、私に腕を組んできてまとわりついていた。

 部屋に入ると意を決したように走り出して、すんなりと診察台にゴロンと横になる!

 みんな「またしばらくかかるだろう」と油断していたので、大あわてでおかしかった。歯医者さんにほめられてご機嫌!いつもの歯磨きとフッ素塗布だけでなく、口の中にライトを当てるとか、ミラーで口の中を見せる…とかいろいろできた。

 いつもは診察室のものをいじったりイタズラしてからそのうちやっと横になるのだが、その日はこのままではいけないと思ったのか、歯磨きが終わった後にあわててイタズラをしていた。診療が終わったら無理にしなくても帰っていいんだよ…。

 起きている時は対処できるがこの期間に困ったのは、夜中のイタズラ。みんなが寝静まった後、布団から起き出してなにやら2階の台所でごそごそやっている。

 ドアを開けてのぞくと、「ニコッ」と満面の笑顔。あの笑顔の時は怪しい。

 眠いのに…と腹を立てながら行くと、パックのご飯を勝手に開けて、そこに花粉症の薬(アレルギン?の粉末)を投入してやがる…。

 この薬、多いと口の中が乾きすぎるので半分の量で出してもらっている。すると子供用になり、甘い味がついているのだ。普通の砂糖よりも変な甘さなので、以前同じことをSにやられた時は、ごはんがまずすぎて、「あの何でも食べる私」が少し食べた後、思わず捨てたほどなのだ。

 なぜ、その作業が好きなのかは謎だが、粉末薬を空けたり、パックを空けたり、上手になったもんだ…。おかげで、夜中にそのパックのご飯の固まりを洗い、翌朝は炊きたてのご飯を横目に、まだ少し甘いけど一応食べられるそのパックご飯を食べた。

 もちろん、翌日以降それらを片付けてSの目につかないところに置いたのだが、また夜中にこそこそとやっている。今度は他のカプセルの薬をびんから出して、並べたり落としたりして遊んでいる。そのうち1つを破いて粉が出て、びっくりして私を起こしに来る。

 2日続けて頭をひっぱたいてしまったが、その時はシュンとしてもまたやることはまちがいないので、部屋のドアにカギをかけることとなった。
夜中にトイレに行く時のために今までそれをしなかったのだが、トイレに行く確率とイタズラをする確率を考えたら、はるかにイタズラの方が多いので、「どうしてもトイレに行きたければ誰か起こしたり、ダメならその場でおしっこをするだろう」とあきらめた。

 その後は、夜中に部屋からは出ずに、ベッドと布団を行き来したり、人のかけ布団を全部取ったりとかはするもののまあまあ落ち着いて寝られる日々である。

 そして、先日の連合運動会。これは今の特別支援学校とその地区に当たる特別支援学級が合同でやる運動会なので、小5の今年は5回目の参加である。

 前の学校の友達も見ているので、ぜひいいところを見せたいところ(笑)。

 いよいよ「かけっこ」の出番。いつもより放送の音楽の音が大きい…。ちょっとなのだろうが、私も少し耳障りに感じていた。スピーカーがぼろいとよけいに。走る順番も後ろの方だったせいかだんだん不機嫌になっているのが遠くからもわかる。

 そんな中、スタートラインに立っ……たかと思ったら脱走…すぐにつかまってスタート! 音に反応していたが、走らずに、なんと耳をふさぎながらゆっくりと堂々と歩いている! 最後まで堂々と歩くその姿は、訳あって走れない子が一生懸命歩いてゴールに向かってまっしぐら…とうつったみたいで、拍手でゴールを迎えていた(笑)。

 走れよ…と思ったら、終わってから並ぶ列に座ると見せかけて脱走して、先生に捕まるまで元気良く走り回っていた(泣)。

 その頃、次のレースで同じクラスの自閉っこの「親分」も同じポーズで耳をふさいで堂々と歩いていた。まるで二人して、「抗議のデモ行進」のようであった。

 そして、昨日の休日の公園。久しぶりの県立公園はガラガラ。遊具を使っていて、その人気がなくなった理由がわかった。







 乗ってみたら、以前よりワイヤーの張りがゆるくて、高い方の位置も少し下がっていて、スピード感まるでなし。というか、少し行くとストップ…。

 整備はしたばかりのようなので、安全面の配慮?

 他の遊具もつまらなくなっている。

 落ちないようにすきまがロープでぐるぐる巻き。

 これも、バネが固くなって、ほとんど曲がらない(笑)。

 ここには高い冒険基地があったはずが、すっかり低いものに作り替えられていた。

 それでも危険に遊べます(笑)。

 僕は、葉っぱさえちぎれればそれでOK。

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2009/10/28 このブログを購読する

副籍交流 2学期1回目 「障害児と生きる日常(53305)」 [ 最近のことの日記 ]
 地元の小学校(元自分の学校)との副籍交流。

 今回は午前の負担を減らして泣かずにすごそう…と思って、朝ゆっくりして中休みから参加の計画。

 が、準備ができたら早く行きたがって結局2時間目途中に到着。着いたら、体育着に着替えたがり「今まで通りの朝」をやりたがるものの、途中参加のため体育着を持っておらずやや不満顔。「朝の運動」とかがなかったのが不満なのか(あっても好きではないくせに)、全体的に落ち着かず…。パターンをくずしたくない自閉っ子配慮を忘れていた。

 中休みは体育館でバスケットボールのシュート、さらに外に出て葉っぱちぎり。

 3時間目は支援学級の絵本の読み聞かせで着席していて笑顔。後半の文章作りの時は早々とリタイアして、泣く前に休憩場所に避難。その後復活してプリントを少々。

 4時間目はお芋掘り。小さいのは3個ほどしっかり掘ったものの、長いのは面倒になり急に引っこ抜いてポキリ。その後は芋の葉ちぎりと土いじり。なぜか口が土まみれ(食べた?)

 「ねこ」での芋の葉の掃除・運搬を手伝ってグラウンドを行ったり来たり(というか追いつけずに無駄に行ったり来たり)しているうちに泣きが入った。

 その後復活して通常級の交流給食へ。苦手のシチューがメインだったため、コロッケのみ食べる。今回は班に知っている顔が少なかったせいか、あまりかまってもらえずやや不機嫌。教室に帰る時はスキップだった(笑)!

 昼休みに外で遊び、そのまま全校たてわりのスポーツ大会を見学。教室に戻ろうと自分が走り出した時にちょうど「全校鬼ごっこ」がはじまり、みんなが走り回ると大喜び。いつしか人混みに消えていった。発見した時は、興奮のあまりか、朝礼台前のマイクに「う~」と叫んでいる場面だった。

 その後、そのうちお願いしようと思っていた移動支援の介護施設の面接に。大人が話す間、かなりいい子でソファに座っていた。トイレのサインの話題をしていたら、小に行ったばかりなのにまたアピール。

 「その場から出たい時にこんな風に嘘のアピールもあるんです」と言いながらも連れて行くと、見事な大便(笑)。「この子はトイレアピールができる」…ということになってしまった。

 帰りに大きな公園でキックボードをし、体育館前の公園(連合運動会の食事場所)で遊んでから私と食事に。

 夢庵に行こうとしていたのに、「猛烈アピール」でとなりのバーミヤンに行くことになった。私の手を引っ張っていき、入り口のドアにしがみついていた(笑)。

 言うだけあって、炒飯とぎょうざを大人一人前丸々食べたのであった。

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2009/12/01 このブログを購読する

ヘルパーさんデビュー(もちろんしてもらう方) 「障害児と生きる日常(53305)」 [ カテゴリ未分類 ]
 息子Sは放課後、家で祖父母と過ごしている。

 過ごしている…と言っても、以前は家に入る前に庭で遊んだりしていたが、最近は2階に駆け上がり、寝室のベッドに裸でもぐり込み寝るだけ…ということが多い。

 その前に1階で食事したり、イタズラしたりということもあるが、まあいずれにしろ、そう有効な時間の使い方はしていない(笑)。

 夜少しでも早く寝るためには、むしろ起こしていて欲しいくらいだが、今や昼寝が2時間、夜は元気で寝るのが12時頃…が当たり前になってしまった。

 その改善の意味と、のちのち外部の人と過ごせるように、今から社会的な支援を少しずつ使って慣れさせたいということもあり、この度、ヘルパーさんの移動支援をお願いすることにした。

 半年前にすでに市から移動支援25時間はもらっていたのだが眠らせていた。今すぐ必要に迫られていないのに使うと他の差し迫った人に悪いかなあと。

 だが、学校からも早く一歩を踏め出せとせかされるので(笑)、ここでとにかく登録することにした。

 しかし、残念ながら地域の3つのヘルパーセンターはいずれも満員。電話した時の手応えで、1件目は「男の子ですか…」(ここは老舗で開拓者で評判がいいが、同性介護が基本なので男子の入る余地がないらしい)という聞いたとおりの状況だったのですぐにあきらめた。

 2件目は電話の対応が良く、「定期的でなく、空いているところと予約希望がうまくあった時だけでもよろしければ…」と前向きだったので面接しに行った。

 Sも連れて来てということだったので、不安を感じながらイスに一緒に長時間座らせたが、とてもいい子でくつろいでいてびっくりした。とりあえず、ヘルパーセンターの人たちにあまりに大変な様子を見せては断られそうだったのでめでたしめでたし。まあ、ちょっとだけ植木鉢の葉っぱをちぎってたけど(笑)。

 行動特徴や好きな物などサポートブックを作って持って行ったのだが、これがとてもありがたがられたりほめられたりでびっくりだった。逆にそんなのなくても平気な子が多いんだろうなあ。確かに安心ならSももっと早くに学校以外の場所で他の人に任せられたはずだし。

 トイレのサインなどについても話をしていたら、ちょうどまたを指さしてウーとアピール。おしっこをした後、3分後にまたウー。「早くその場を出たい時にこんな風にトイレアピールのまちがった使い方をする時もありますが、一応連れて行って安心させます」なんて言っていたら、トイレでいきなり宿便どっさり(爆)。

 「ちゃんと伝えられますねえ」なんてほめられていたが、いきなり初めての事務所でも大便をするほどくつろげて良かった。(すぐトイレに行った時は大便というデータも示せたし)

 さて、こうして迎えた初日の11月中旬。学校に迎えに来てもらって車で市民プール(もちろん温水)へ。市によっては一緒にプールなんて絶対ダメって言うところもあるらしいが、老舗ヘルパーセンターの開拓のおかげで、こちらでも大丈夫。ただこちらは女性ヘルパーしかいないので、着替えは福祉用の特別室でやるらしい。

 Sくん着がえの前に猛アピールしてトイレへ。着替えたりシャワーを浴びる同じところに便器がある。座るといきなりいきんで排便成功! 日頃そんなにしないくせに、もはやこちらのヘルパーさんのお顔を見ると大便率100%(笑)

 プールの中では深いところに行ってあごをあげて、溺れるギリギリを楽しむ…。海と同じである。以前私と下見に来た時と同じように、プールと泡のお風呂を交互に楽しんでいたそうだ。

 この日、ご機嫌で帰宅してきた(らしい)。

 ヘルパーさんと手をつないで、引っ張るように自宅玄関に来たそうだ。

 たぶん、新しい人とプールに行けたのは自信になったに違いない。

 ヘルパーさんのメモによると、プール上がりに好物の炭酸飲料1杯買い物OKにしていたのだが、いつもながら飲まなかったようだ。

 飲まない理由は簡単、たぶん、口を開けてギリギリ遊びを楽しんでいるのでプールの水を結構飲んでいるに違いない(泣)。

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2009/12/16 このブログを購読する

Sの文化祭と祭りのあと 「障害児と生きる日常(53305)」 [ 最近のことの日記 ]
 すっかり前になってしまったが、11月末に自閉症児Sの支援学校の文化祭があった。

 こちらは、小中高一貫校(ちょっと違うけどw)な上に、肢体不自由部門も併置しているので、こういう行事はとても大規模なので見ていて楽しい。

 しかし、今年はインフルエンザの猛威もあり、知的障害部門とステージの日付を別にしたり、来校者全員マスク姿になる…などちょっと違った趣。

 そんな中、行われた小学部高学年のステージを見るために、というよりビデオを撮るために出かけた。すでに風邪をひいたのかつらくなってきたけど、かみさんが他の用事で出かけて(こっちがつらいって行ってるんだから、キャンセルして代わりに行ってくれればいいのに!)いるので、必死の思いで出かけた。

 ステージは、一応のストーリーがあって、ある村の人たちが何かを探していて、それを見つけてくれたもう一つの村の人たちにお礼をするという内容。その中で、「これは違いますか?」とそれぞれがボール投げとか馬跳びとかの一芸をして聞いたり、お礼の楽器演奏をしたり…というものであった。

 オープニングはジンギスカンの踊り。ボンボンを持ってみんなが踊り始める中、息子Sはニコニコゲラゲラご機嫌で他の人の顔をのぞき込んでいる。それでもそれなりに前に行ったり後ろに行ったり一緒に移動している!

 そして、サビが来て、「ジン・ジン・ジンギスカン」となると、ボンボンを腕に持って頭上でぐるぐる回して、それなりに踊っている! いやあ、たまげた。

 そうして感心していたが、2番くらいになるとすでに飽きていて(笑)、最近おきまりのポーズ。両手の小指が耳、親指が口に入って、泣きそうなんだかぶりっこポーズなんだか…(運動会のかけっこで堂々歩く時に見せたのと同じポーズ)…になった。それだけでも充分目立つのだが、そのポーズのまま、なぜかステージ中央にあゆみ出ていく…。

 ちゃんとやらないくせにどこまで目立ちたがり屋なんだ!(爆)

 その後、ネコ(一輪の荷物運搬車)で大きな箱を運ぶ作業をちゃんとやったり、またエンディングのおどりでニコニコやっているかと思ったら走って消えていったり、でも思ったより成長を感じさせてくれてステージは終わった。

 実はこの時、私はすでに熱が出てきたのかフラフラ。ビデオカメラを持つ手も重い。本当だったら展示物をゆっくり見たり、このあとの中学部・高等部のステージも見たかったのだが、他の人に風邪を移さないためにも退散を決定。勤務しているI中の卒業生も出るので見たかったのだが…ちょうど来たばかりのI中の先生たちに別れを告げて開場をあとにした。

 車の中で確信した。これは6年前にやったのと同じインフルエンザだ! 熱が出てきた。のどがすごく痛い。寒気がする。関節が痛い。この膝のガクガク感はもうまちがいない…。

 ということでそのまま近所の診療所に直行した。受付で熱があって…とマスク姿のうつろな目で訴えると、そのまま別室に直行。別室といってもリハビリルームみたいな所だが、そこで熱を測るとすでに38度5分! つらいはずだ。

 校医さんであるせいか、それとも近所の誰かが働いているのか、すでに私の職業はばれており、「今、I中学校でもまた流行っていますからインフルの検査もしますね」とビニールに包まれたマスクで鼻をかむようにいわれる。ここに鼻水が出せれば楽…だそうだが、あいにく今回の症状に鼻水はない。結局、量が足らずに、両鼻に綿棒を突っ込まれイタタタ・ハックション。

 そこから20分間くらい検査結果を待つ間、部屋に一人。高熱があるとわかったせいか、それともさらに上がったのか、もうイスに座っていられなくなって、目の前のリハビリ機械の良く冷えた鉄の棒に頭をあずけてぐったり。

 やっと診察を受けたが、なんと検査キットでは陰性。しかし、症状から「インフルエンザ以外の何者でもないでしょう」という診断が下り、タミフルをもらって帰った。あとから聞いたがどうもこの診療所ではほとんどの人が検査キットでは陰性だけどインフルエンザだとなっているらしい。検査キットがダメなのか、すでに変異でもしているのだか…。だいたいが、一ヶ月以上も保菌者うじゃうじゃの中で生活していた(学校だから)私がなぜ今頃…と思うのだが。

 ちなみに会場をあとにする時に会ったI中の先生たちも生徒たちもみんなその後インフルエンザになったらしく、そのままそっちの支援学級は学級閉鎖となった。木曜日の授業あたりでみんな感染していたようだ。

 さて、その日の私はひとりで2階にこもり、念のためすぐに落ちないように雨戸を閉めてからタミフルを飲んで寝た。

 タミフル効果か高熱の故か、夢の中でずっと謎の数学の公式を解き続けるなどエンドレスでうなされた…。昼から寝たが夜まではずっと38度6分。夜中に目が覚めた時にあまりにもすっきりしていたので熱を計ると37度9分。日頃だったら大騒ぎの熱なのに、それまでずっと38度台だったせいかすごく楽に感じた。「これが38度の壁か」とその時はさも当然のように聞いたこともない定義(たぶん朝鮮半島の北緯38度線と勘違いしている)をつぶやいて、また眠る。

 何度か目が覚めるが、その都度検温すると、計るたびにどんどん下がっていき、夜のうちに36度台まで来た。日曜日朝には平熱になった。金曜日の夜から発病していたとして(その時は軽い風邪だと思ったが)、それでも丸2日で済むなんてタミフルの効き方恐るべし。

 その時の家族の隔離ぶりといえば見事で、何かあったら携帯で電話すると言ってあったので、アイスノンが欲しくてかけたが電話にすら出てくれない…という徹底ぶり。私の寝ている部屋に入りたいSは泣きわめいていたが、最終的に他の誰もインフルエンザにかからなかった。まあ、誰も何もしてくれなかった(笑)から、濃厚接触者いないし。


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